H27.12月30日(水曜)
終戦70年目を迎えた今年が
明日で終わりますが
その今年が残りひと月ほどになった日
水木しげる大先生
永逝の訃報が流れ
鬼太郎愛を共有する友人からは
ただちに哀しみのメールが届きました。
その悲報を知らされた私は
スッと会社の机の引き出しを開け
たまった資料の底の方を
ゴソゴソしました。
やっぱり出てきました。
捨てられなかった
2014年 8月13日付 毎日新聞(夕刊)
の1ページ。
特集ワイド「この国で確かにあったこと⑤」で
水木しげるさんが
太平洋戦争について語っている紙面です。
水木さんは激戦地・ラバウルで自身の左手を失い
あまたの戦友を失っています。
この記事をいま一度読み返してみました。
あらためて印象づよい一節は
「 日本に戻ってからは
『かわいそう』という言葉は使わなかった。
この言葉は戦場で命を落とした
兵士のためにあるのですから 」
という、水木さんの言葉です。
またその記事中で
水木さんが
「 自身の著作の中で、一番好きな作品 」
とおっしゃっていたのが
『総員玉砕せよ!!』 (講談社)
内容の90%が
水木さん自身が見聞きしたことだという
戦記漫画です。
記事を読み返したことで
この作品を
読みたい、読まなくては、と再び思い
シミズBOOKSに確認したところ
残念ながら
同著書はいま絶版中。
出版社にも在庫がないとのことでした。
がっかりだ
… と、思ってたところ
私が(時として)リスペクトしてやまない男性
捨文 金五郎氏
(= ペンネーム。こぼれ話『面妖な贈り物』の回参照 )
が、やってくれました。
この水木さんの残した作品のしかも初版本を
「持っているよ」
と、貸してくれたのです。

ありがたく、読ませていただきました。
ラスト10ページほどは
言葉の記述はほどんどなく
壊滅状態の日本軍の
凄まじくむごたらしい惨状が
細密な劇画のみで描かれ
ラスト1ページは
無言の死体の山、白骨の山
の描写で終わります。
これが事実なんだ
と、突き付けられた感じです。
ちなみに新聞記事の最後は
「死んでいった兵士たちが描かせた本」
を手にしてほしいと切に願う。
で、括られていました。
来年、同作品の重版を望みます。
【編集:杉山】
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